注目キーワード
CATEGORY

循環器

γ計算と昇圧薬

1:γ計算 γ計算は「体重あたりの投与量」と「時間当たりの投与量」という2つの概念を掛け合わせた単位(μg/kg/min)です。 体重に関して、例えば同じ薬でも体重50kgの人への投与量と体重100kgの人への投与量は異なるので、体重あたりの投与量と決める必要があります。 また時間あたりという点に関しては、例えばステロイドの場合は1日何mg投与したか?という積算量が重要ですが、ノルアドレナリンの様 […]

ショック “Shock”

1:病態生理 ショック”Shock”とはただ単に血圧が低いという状態ではなく、「循環障害により、組織の酸素需要と酸素供給のバランスが崩れている状態」を表します。つまり、「ショック」は血圧が〇〇mmHg以下ならショックと診断する訳ではなく、組織還流不全を呈する症候群であって、あくまでも臨床的に診断します”Shock is a clinical syndrome&# […]

利尿薬 diuretics

1:Na排泄と作用部位 利尿薬は尿細管でのNa再吸収を阻害することで、尿中Na排泄量を増加させ、体液量(正確には細胞外液量)を減少させる働きがあります。なぜNa量を調節するのかというと、Na量は細胞外液量と対応しているからです。これは水代謝のところでも話ましたが、再度体裁します(詳細はこちらをご参照ください)。 Naは血管壁を挟んで血管内と間質を自由に行き来することが出来ますが、細胞膜を挟んで細胞 […]

抗血小板薬 antiplatelet drugs

1:血小板の生理 普段私たちの血管内皮細胞はNO(一酸化窒素)やPGI2(プロスタグランジンI2)などの働きによって、血栓が出来ないようにしています。しかし、血管壁が破綻して出血をすると血小板が止血において重要な役割を担います。 血管内皮細胞が障害されると、vWF(von Willebrand因子)を介在して、血小板がくっつきます。血小板はここで、ADP(アデノシン二リン酸)やTXA2(トロンボキ […]

抗凝固薬 まとめ

0:凝固カスケードと作用機序 凝固カスケードと抗凝固薬との対応関係をまとめると上図の様になります。以下でそれぞれの薬に関してまとめます。 1:ヘパリン類 ■作用機序と分類 ヘパリン類はそれ単独では抗凝固作用を示さず、AT(antithrombin:アンチトロンビン)依存性に抗凝固作用を発揮します。このため、背景にAT欠損や活性低下があると十分な薨御作用を発揮できません。未分画ヘパリン(UFH: u […]

静脈灌流量 Venous Return

静脈灌流量(Venous return)とは、静脈から心臓へ戻ってくる血流量のことです。普段全身の循環動態を考える場合、ついつい左心系に注目してしまいますが、実際には右心系が果たす役割も大きくここで解説します。 1:血流量をどう表現するか? 静脈灌流量を考えるにあたってまずは血行動態の物理的背景をここで解説します。血流量は還流圧差(Δ還流圧)と血管抵抗により決まり、「血流量=Δ還流圧/血管抵抗」と […]

人工呼吸管理と循環動態

通常私たちは陰圧換気(胸腔内圧を陰圧にすることで大気と肺胞内に圧較差を作り、空気を肺に流入させる方法。詳しくは人工呼吸器の原理の項こちらをご参照ください。)をしていますが、人工呼吸管理では陽圧換気(陽圧をかけることで肺胞内と圧較差を作り空気を肺に流入させる方法)を行います。陽圧換気では胸腔内圧が上昇し、胸腔には心臓・肺・血管など循環動態を担う様々な臓器が存在しているため、循環動態へ影響が出ます。そ […]

心電図「ST上昇」との戦い

救急外来、病棟当直で1人で心電図を読み判断しないといけない場面は沢山あります。そこで最も重要なのは”STEMI”(ST上昇型急性心筋梗塞)をいかに見逃さずに素早く循環器Drにコンサルテーションするか?という点です。しかし、国家試験で勉強したときのような典型的なケースは実臨床では少なく、これは”STEMI”なのか?と頭をかかえることも多いです。悩ましい […]

narrow QRS tachycardia

1:病態・原因 “narrow QRS”は電気刺激が刺激伝導系を経由して心室へ伝わることを意味します。なので、基本的には「上室性」からの頻回な刺激が、房室結節からの刺激伝導系を経由して心室へ頻回な刺激が伝わることで”narrow QRS tachycardia”が生じます。 心電図では以下の流れで鑑別します。Step 1:RR間隔がirregular […]

徐脈 bradycardia

1:徐脈の評価 ■心電図評価 まずは心電図のアプローチを考えます。以下の2stepでアプローチします。 Step 1:P波があるかどうか?Step 2:P波とQRS波の対応関係があるかどうか? その結果、以下の3パターンに分類されます。・P波がない場合:補充調律 洞停止、心房細動+3度房室ブロック・P波とQRS波の対応関係がある場合:洞性徐脈 *2:1房室ブロックに注意・ P波とQRS波の対応関係 […]