Alexander’s Lawは自発眼振を認める際に、眼振が急速相(fast-phase)の方向を注視したときに増強し、反対の緩徐相(slow-phase)の方向を注視したときに減弱する現象です。
ポイント
・Alexander’s Law自体は末梢性・中枢性いずれでも認めるため、Alexander’s Lawに従うだけでは中枢性か末梢性かの区別はできない(末梢性に特異的な所見ではない*ときどき勘違いがある)
・Alexander’s Lawから逸脱する場合は中枢性を示唆する(ここが最も重要)
文献
“Spontaneous Nystagmus Violating the Alexander’s Law: Neural Substrates and Mechanisms” The Cerebellum (2025) 24:34
・後方循環系脳卒中患者2,652人のうち、自発水平眼振(または水平・回旋混合眼振)を認めた239人を対象
・中枢性(後方循環脳卒中)(n=239)Alexander’s Lawに従う 93%(222人)、従わない 7%(17人)
・末梢性前庭障害(n=20) Alexander’s lawに従う 100%
・中枢性でAlexander’s Lawから逸脱した症例のまとめ:全例延髄外側梗塞 随伴症状:体幹失調100%, 感覚障害 65%, ホルネル症候群35%など
*なぜ逸脱するのか?:眼球の水平方向の注視保持(Gaze-holding)を司る重要な神経積分器(脳幹の前庭内側核:MVN や 舌下神経前位核:NPH)が存在