Cryptogenic NORSEの段階でもう超難治なのですが、2026年に更に難治で共通した特徴をもつC-NORSEの症例についての報告があります。これら報告はいずれも脳波上Suppressionにも関わらずGPDsを生じることと、刺激誘発性の発作を伴う点が挙げられ、既報例は全例死亡しています。
- 1 “An extreme type of new onset refractory status epilepticus with stimulus-induced seizures in pharmacological isoelectric states” Epilepsia. 2026;67:138–150.
- 2 “Extreme cryptogenic new onset refractory status epilepticus/febrile infection-related epilepsy syndrome: Evidence of profound neuroinflammation and neuronal injury” Epilepsia. 2026;67:2041–2044.
“An extreme type of new onset refractory status epilepticus with stimulus-induced seizures in pharmacological isoelectric states” Epilepsia. 2026;67:138–150.
7例の超重症例のCryptogenic NORSEのまとめ(2006-2024年にICU入院、患者プロファイルは類似しており、発症平均4.6日前に発熱前駆症状あり、髄液所見上は自然免疫を支持)。全例で薬剤で脳波上suppression状態にも関わらず、高振幅(最大820μV)の広範性、散発性、または周期的な鋭波発射(GDs)が出現した。また刺激誘発性(聴覚 手をたたく音、視覚 光の明暗、触覚誘発性)の発作とGPDsを認めた。
脳波パターンは薬剤によるSuppressionにも関わらずGPDsが散発的に生じる
免疫治療は6/7例で実施、ステロイドパルス療法2/7例、IVIg 5/7例、血漿交換1/7例、アナキンラ1/7例で実施。ただ開始時期については記載なし。
全員がてんかん重積状態の発症から平均31.9日後(5日〜74日後)にARDSや敗血症性ショックなどによりICUないで死亡
著者の考察:バルビツール酸系薬剤による極度の抑制が逆に外部刺激への過敏性(hypersensitivity)を生み出し、そこにc-NORSE特有の炎症によるネットワークの過興奮状態が組み合わさることで、このような巨大な異常電位や発作が引き起こされていると考察
また著者たちはそもそもてんかん重積状態においてburst suppressionを保つことはエビデンスに乏しいが、こうした例で本当にSuppressionを目指すことに意味があるのかに関して疑問を問いかけている
管理人コメント:免疫治療が不十分であったため、免疫治療がきちんと早期に導入されていればどうであったのか?は正直わからないというところ。ここの情報がsupple含めてあまりわからなかった。
上記の報告をうけての症例報告(下)。
“Extreme cryptogenic new onset refractory status epilepticus/febrile infection-related epilepsy syndrome: Evidence of profound neuroinflammation and neuronal injury” Epilepsia. 2026;67:2041–2044.
32歳女性、発熱6日後にC-NORSE発症 脳波所見はsuppressionにGPDs群発+marked sensitivity to tactile stimulation
著者たちの施設で5年間で5例目のc-NORSE/FIRESの症例→この症例がextremeに重症であり唯一の死亡例(発症69日目にSRSEに多臓器不全合併)
5種類の持続鎮静薬と11種類のASM!!!、ケトン食、迷走神経刺激も要した
免疫治療:ステロイドパルス、IVIg, アナキンラ(7日目に導入している)、デキサメタゾン髄注、シクロフォスファミド→いずれも明らかな改善を認めなかった
髄液検査:炎症所見が顕著(サイトカインプロファイル)

管理人コメント:まず成人例で早期からアナキンラを導入できていることが相当C-NORSEに慣れている施設であることは間違いない。日本では使用できないし、アナキンラの報告例はほとんどが小児であるため。病態生理的にはアナキンラは髄液移行性も高く、またIL1βはseizure provocativeであるため有用であると思われる。またシクロフォスファミドを追加、デキサメタゾン髄注も発症2週間とそこまで遅い訳ではない。にも拘わらず難治の経過で、日本では考えられないほど持続鎮静薬もASMも多量に要しているにも関わらずコントロールに難渋している。おそらくwords制限のためと思うがなぜ他界したか、どういう臓器障害に難渋したかに関しては記載がない。こうした症例に対しての適切な治療戦略は確立していない。