“Autoimmune Encephalitis: diagnostic challenges, common pitfalls, and the recognition of distinct disease entities” 2026/5/22
本記事は日本神経学会総会2026/5/22でのDalmau先生講義の筆者個人の聴講メモ・学術的整理であり、講演内容を完全再現したものではありません。
診断
3つの抗原パターン
- intracellular: T細胞Hu, Yo,CRMP5, Ma
- Glial: MOGAD, AQP4, GFAP
- 細胞表面抗原: LGI1, NMDA, AMPA, GABA
これら抗体は認知されてきたが、自己免疫性脳炎のoverdiagnosisが増えている
脳炎で考えること 1,2がほとんど
1:感染
2:自己免疫
3:その他
Clnical assessmentが最も重要である 抗体が偽陽性の可能性があるためである
“serum test result overrides the clinical assessment”
症例提示:10歳女性 血清抗NMDAR抗体陽性 過眠、舌の不随意運動 抗体陽性であるからといってNMDA脳炎とされてステロイドが長期投与されてしまった症例
ぼそっとおっしゃっていたこと:NMDAR脳炎は普通不眠であり過眠はおかしい
→実際にはナルコレプシーの症例であった
Clinical approachが重要である 自己免疫性脳炎のアルゴリズム上も Graus先生
臨床所見に基づいて検討するべきである 最初の部分 possible AE と考慮する入り口部分
また”reasonable exclusion of alternative causes”が重要である
General diagnostic principles of AE
①Clinical approach + ②age + ③Antibody testing
②年齢について
・子供の場合は原因はかなり限られる MOG NMDA(この2つがほとんど)
その他:GABA AQP4 ASCAN1 Hu GAFP
729例自己免疫性脳炎疑いの”小児例”を前向きにフォローして”最終診断を確認した”貴重な研究 Lancet Neurol 2025;24:54-64.
32%は自己免疫性脳炎 42%は非炎症性の病態であった 15%感染性 11%炎症性原因特定困難
→何がいいたいかというと原因が特定できないのは11%しかなくほとんどは診断がつくものであるということだ
自己抗体MOG, NMDAがほとんどを占める 84%
③抗体検査について
・Tissue-based assay 非常に有力 ほとんどの抗体を検出することができる
1. Cell-based assay(neuropil pattern) 細胞表面抗原
2.Immunoblot(intracellular pattern)
Diagnostic errors
339例自己免疫性脳炎と診断されたうち27%はそうではなかった誤診である
どうすれば誤診を防げるか? AE criteriaをきちんとフォローすることが防げる
誤診の原因:血清抗体の誤解釈 50%, 精神疾患 27%, 髄液の誤解釈 8% JAMA Neurol 2023;80:30-39
Serumの濃度が高いものは解釈が難しい、市販キットでは特にそうである 注意する必要がある 偽陽性がよくある
Dalmau先生はこの点に関して相談のメールを沢山もらうが、印象として90%は自己免疫性脳炎ではないoverdiagnosisが多い
Seronegative or antibody negative but probable autoimmune encephalitis (ANAE)
Lancet Neurol 2023;22:529-40.
誤診の原因
・アルゴリズムをきちんと活用できていない
・除外診断が不十分
・NORSEを考慮できていない
・橋本脳症の過剰診断
・そもそも必要な抗体が考慮されていない
・その抗体がPanelに含まれていない(LgLON5, MOG)
・抗体測定自体の問題(髄液を調べていないなど)
診断精度をあげるためにどうするか?
1:アルゴリズムを利用する
2:抗体 血清+、髄液陰性の場合は違う可能性を考慮する、抗体陽性でも臨床像と合致しない場合は誤診を考慮する、MOGとAQP4は血清を提出する、髄液と血清両方を調べるべきである
自己免疫性脳炎と単一にくくらない
自己免疫性脳炎を単一疾患のように語る風潮があるが、1つ1つ全く別でありそれぞれ独立した病態である
“the importance of assessing autoimmune encephalitis as individual disorders”
“Treatment strategies and future directions in autoimmune encephalitis” 2026/5/23
“autoimmune demyelinating disease” MS, AQP4, MOGAD, GFAP これらはかつてはclusterであった、まとめられていた
→今は多発性硬化症の一部と考えらえていたことが間違っていたことがわかっている
“antibody-mediated encephalitides” 単一の疾患とくくられてしまうことがあるがそれは違う、またまとめて治験をすることも間違っている
治療
・immunotherapy:1st, 2nd, 3rd?, experimental
・additonal treatments:腫瘍摘出
*3rd line therapyは確立していない 数週間後に効果がでることがある、数日や週では効果がでていない可能性がある 3rd lineが効果がでていると限らない
NMDA post-acute stage どう治療するべきなのか?enigmaticである
3回/年にバルセロナの病院にきて2日入院いろいろ検査 Visit 1, V2, V3
Lancet Neurol 2022;21:899 Guasp
LGI1
30%FBDS
memory, insomnia
ステロイドで改善するが、後遺症が残る こちらもフォローアップしてどうなるか?
外来受診では氷山の一角である Sleepはとても重要である
NMDAと同様に年3回のフォローアップ Lancet Neurol 2024;23:256-266.
睡眠中にseizureを認める nocturnal faciobrachial dystonic seizure
IgLON5 disease
・REM sleep disorder and non-REM parasomnia とても緩徐な経過である 読み方:あいぐろん
・mainは睡眠障害である Acta Neurophathol 2016;132:531 Gelpi
Conclusions
・heterogenous dieases distinct
・hetero extends to immunotherapy response
・disease specific strategies are needed