病態
・脳のエネルギー枯渇状態(虚血、低酸素、低血糖など)によって引き起こされる皮質の特定の層の選択的壊死(原因ではなく結果である)
*6層ある大脳皮質の中でも、「第3層」が最もダメージを受けやすく、次いで第5層・第6層が脆弱です。一方、第2層・第4層は比較的抵抗力がある
・皮質(灰白質)は酸素需要が白質よりも大きいため、エネルギー不足により選択的に障害される
・発生しやすい部位: 脳回(シワの隆起した部分)の頂上よりも、脳溝(シワの谷間)の深部や側面に沿ってより強いダメージが生じる傾向
・破壊後の共通の修復・処理プロセス(マクロファージの活動など)を反映した画像変化(遅れて顕在化する)
→細胞溶解、壊死、および浮腫が起こった後に、壊死物質の吸収と食作用が起こり、壊死に伴う高濃度のタンパク質や巨大分子の蓄積、および脂質を含んだマクロファージの出現(これがT1高信号に関与している可能性が指摘されているが、Fat suppressionで抑制されない報告もあり解明されていない)
参考文献:”Cortical laminar necrosis in brain infarcts: serial MRI” Neuroradiology (2003) 45: 283–288
原因
・脳梗塞
・低酸素脳症
・低血糖
・MELAS など
画像所見
こちらのStroke manualというサイトに実際に画像所見が提示されています。
Radiopediaのサイトはこちら。
CT
・皮質に限局した高吸収:通常発症から2週間後に初めて現れ、1〜2ヶ月後にピークに達し、通常6ヶ月後に消失する
参考文献:Samain JL, Haven F, Gille M, et al. Typical CT and MRI features of cortical laminar necrosis. J Belgian Soc Radiol. 2011;94(6):357.
*laminar necrosisに関するCTの報告は乏しい(ほとんどがMRIによるもの)
MRI
・皮質に沿った線状のT1強調像高信号が最も特徴的な所見
・T2/FLAIR:iso-high信号
・Gd造影:発症後2週間までは造影されない、2週間〜3ヶ月の間に顕著な造影効果が見られ、その後は弱まり、最長で発症後5〜6ヶ月まで造影されることがある
・SWI:脳梗塞の場合は特に変化は認めない 低酸素脳症では生き残った細胞による鉄沈着が反映され、線状の低信号として描出