神経障害性疼痛の管理一般に関してはこちらをご参照ください。
腎機能障害の場合,SNRIはCCr<30h禁忌(デュロキセチンが使えないのがきつい),プレガバリンは禁忌ではないですが腎代謝で投与量の調整が必要であり、薬剤選択がかなり厳しくなります。日常臨床でも悩むことが多いです。以下の文献を元に神経障害性疼痛のところのみ抜き出して検討します。
“Clinical Pharmacology Considerations in Pain Management in Patients with Advanced Kidney Failure” CJASN 14: 917–931, 2019. doi: https://doi.org/10.2215/CJN.05180418
CKD患者の疼痛管理 Stepwise approach

具体的な薬剤
ガバペンチノイド(ガバペンチン、プレガバリン):腎機能による投与量調整が必要
・プレガバリン25mg 1錠分1・透析後(または隔日)から開始
カルバマゼピン:腎機能による投与量調節が不要
・投与量:100mg 1錠分1夕食後から開始
TCA(アミトリプチン):腎機能による投与量調整が不要であり選択肢になるが,高齢者は特に抗コリン作用や鎮静作用による副作用が目立ちやすいため使いづらい。
・投与量:アミトリプチン25mg 1錠分1夕食後から開始
SSRI:CKD+神経障害性疼痛におけるデータに乏しく推奨はなし
実際どうする?
完全に私見ですが、管理人は「①プレガバリン少量+②カルバマゼピン+③トラマドール」の3種類で患者さんごとの相性をみながら薬剤調整をすることが現実的かと考えています。どれも鎮静作用がありますし、相互作用などもあるため難しいです。また充分に疼痛をとりきれないことも多々あります。
私はTCAはやはり副作用が多く個人的にはbenefitよりもharmが上回る印象が強く(特に高齢者では)、使用を控えています。