みなさん3連休いかがお過ごしでしょうか?私は学会仕事三昧の3連休でした。今回はただのブログで、帰りの新幹線の中で書いています。
神経集中治療ハンズオンセミナー
2月22日(土)は神経集中治療ハンズオンセミナー(@さいたま赤十字病院)にインストラクターとして参加してきました。このセミナーは神経集中治療に興味がある若手集中治療医や救急医を対象として、実際のハンズオンやシナリオベースの講義を通じて勉強する1日がかりのコースです。前回広島での開催から参加させていただき今回2回目です。私からは午前は神経診察(MMT・腱反射)、午後は急性筋力低下の臨床推論の話をさせていただきました。

今回は途中で他のブース(経頭蓋ドップラーエコー、TTMなど)も色々見学させてもらいました。特に最近気になるPCAS(post cardiac arrest syndrome)セッションが勉強になりました。
神経集中治療領域は神経内科よりも圧倒的に脳外科とコラボする領域が多いです。代表はSAH、次にTBI(traumatic brain injury)です。特に頭蓋内圧モニターやドレーン管理などは神経内科医が行うことはなく脳外科との親和性が高いため、神経内科医は苦手としています。神経内科医が関与するのは中枢神経疾患では脳炎、てんかん重積が代表的で、その他は末梢神経障害としてギラン・バレー症候群、神経筋接合部疾患として重症筋無力症のクリーゼなどに限定されます。純粋に集中治療室で扱う神経内科疾患が脳外科と比べると少ないのでこれまであまり集中治療と神経内科のコラボレーションは少なかったのだと思います。
また日本の神経内科医で神経集中治療に強い医師がは少ない(ほとんどいない)と思います。神経集中治療の教育を受ける機会がいかんせんないので当然といえば当然かもしれません。近年集中治療側から神経集中治療の重要性が増してきており、神経内科医もコンサルタントとしてきちんと回答し、一緒にdiscussionしていく必要があります。神経内科医も過去の知識のままでは簡単に負けてしまうので(特に持続脳波は集中治療医の方が詳しいことが多いです)、きちんと勉強しないといけないです。
今後は両者はもっと歩み寄ってコミュニケーションをとることで、共通言語を形成しながら相互理解を深めていくことで診療の質が上がっていくのではないかと思います。特に神経内科医は集中治療の考え方や言語に慣れていないので、もっと歩み寄ることができるといいですね。
日本病院総合診療医学会・プライマリケア連合学会
広島国際会議場で両学会が同時に開催されました。私の施設からは3つ指導した演題をだしたのですが、どれも2月22日(土)発表であり残念ながら直接みることができませんでした。今回プライマリケア連合学会側の冬季セミナーに今回招待いただき(ジェネラリストのための「ふるえ」診療)、2月23日~24日の2日間学会に参加してきました。
冬季セミナーは去年「末梢神経障害」をテーマに話させていただき、今回は学会側からお声がけいただきとても嬉しかったです。受講生の方からのアンケート評価も満足度が結構高かったので頑張って準備して良かったです。私はライフワークがNeurologyとプライマリケア・総合診療科・内科・ERなどを繋ぐ架け橋になることなのでこうしたプライマリケアの先生方へ話す機会はとても嬉しいです。

広島国際会議場は平和記念公園と併設されており、初めて原爆ドームを見学しました。


空き時間はずっと平和記念公園を散歩していたのですが(学会の講演をあまり真面目に聞いておらずごめんなさい、、、)、静かで広々とした空間で(周辺に高い建物がなくて空が広く感じる)厳かかつリラックスした気持ちになりました。24日は朝から雪が降っていたため、白銀に染まった風景がとてもきれいでした。

噴水があり、昼間はそこまで注目しなかったのですが夜になるとライトアップされて綺麗でした。

会場すぐ近くの「ドーミーイン広島」に宿泊したのですがとても良いホテルでした。大浴場もあって夜中も朝もお風呂に入れます。また朝ごはんが最高でした。あなごご飯、カキフライも3つ朝から食べてしまいました。私が敬愛する作家の村上春樹さんもカキフライが大好きで、よくカキフライについてエッセイで書かれています。私は生牡蠣を絶対に食べないので、カキフライで牡蠣をおいしくいただいております。

集中治療とプライマリケアという全く性質の異なる2つの学会それぞれに参加して、やはりNeurologistは神経内科界隈にとどまっているだけではなく、他領域とコラボレーション・教育をしていかないといけないなと強く感じました。知識は独占するものではなく共有することで、磨かれて質が高まっていくものと信じています。