Korda A, Zamaro E, Wagner F, Morrison M, Caversaccio MD, Sauter TC, Schneider E, Mantokoudis G. Acute vestibular syndrome: is skew deviation a central sign? J Neurol. 2022 Mar;269(3):1396-1403. doi: 10.1007/s00415-021-10692-6. Epub 2021 Jul 9. PMID: 34244842; PMCID: PMC8857098.
・背景として元々skew deviationは中枢性とされているが、どの程度あるのか?正確なのか?は分かっていない
・ERを受診したAVSに対して全例HINTS, video test of skew, delayed MRIを評価(末梢性前庭障害 53例、脳卒中 24例)*つまりvideoでSkew deviationをより正確に評価する
・AVS(acute vestibular syndrome)を呈した患者のうち前庭神経障害(末梢性)は24%, 脳卒中は29%でSkew deviationを呈した⇒既知の点と異なり、末梢性でもskew deviationはある程度あることになる
・しかし、skew deviationのズレが3度以上をカットオフ値とした場合(つまり目のズレが大きい場合):感度15%, 特異度98.2%で中枢性を示唆する

正常者の縦方向の斜視

結論
1:skew deviationは末梢性前庭神経障害でも約1/4に認める(従来の知見と異なり)
2:ただ大きな眼位のずれ(>3度)の場合は中枢性を示唆する
実臨床でどうするか?(実際に眼位のズレ角度をERで測定できる訳ではないため)
①少なくともskew deviation単独で中枢性の判断しないようにする
②重度に眼位がズレている場合は中枢性らしい
というところが実臨床での落としどころでしょうか