注目キーワード

掻痒感

原因

・腎臓:慢性腎臓病、透析(とても多い)
・肝臓:原発性胆汁性胆管炎(掻痒感が主訴になることあり)、肝硬変、慢性肝炎
・内分泌:甲状腺機能異常、糖尿病など
・血液疾患:真性多血症、鉄欠乏性貧血、悪性リンパ腫、ヘモクロマトーシス、白血病
・神経:多発性硬化症など
・その他:老人性乾皮症(最多)

対応

保湿剤

・最初に必ず行うべきはスキンケア+保湿で基本中の基本

*保湿剤まとめ

一般名ワセリンヘパリン類似物質尿素含有製剤
商品名白色ワセリン
プロペト
ヒルドイド
ビーソフテン
ケラチナミン
ウレパール
パスタロン
製剤軟膏軟膏、クリーム ローション軟膏、クリーム ローション
刺激性なしあり
特徴最も保湿性が高い 潰瘍・びらんにも使用可能 接触性皮膚炎おこしにくい保湿効果高い 血流改善効果 *界面活性効果びらん、潰瘍には 使用できない

κオピオイド受容体作動薬

ナルフラフィン 商品名:レミッチ®
 適応:透析、肝硬変 内服:2.5μg/OD錠 or カプセル
 処方例:2.5μg 1日1回夕食後または就寝前内服 5μg/日まで増量可
*肝硬変に関して 肝硬変ガイドライン
CQ4-22 肝硬変に伴う掻痒症に対して,経口搔痒症改善薬(ナルフラフィン塩酸塩)は有用か?
推奨:肝硬変に伴う搔痒症に対して,経口搔痒症改善薬(ナルフラフィン塩酸塩)の投与を提案する。 推奨の強さ:弱、エビデンスレベル:B

ジフェリケファリン 商品名:コルスバ®
 適応:透析 静注:17.5μg, 25μg, 35μg 体重に応じて透析終了時の返血回路に静注

透析患者掻痒感対応のアルゴリズム Renal Replacement Therapy (2016) 2:27

保湿剤(湿疹伴う場合はステロイド外用薬併用) 2週間効果判定
↓効果に乏しい場合
κオピオイド受容体作動薬追加(ナルフラフィンまたはジフェリケファリン) 2-4週間効果判定
↓効果乏しい場合
・κオピオイド受容体作動薬の切り替え or ナルフラフィン増量

その他

・ベンゾジアゼピン系、ミルタザピン、プレガバリンなど効果ある場合もある