目的:①聴力評価+②難聴が感音性か?(骨導)、伝音性か?(気導)を評価する
*前提条件として意識障害がなく検査に協力的であることが必要
→ABR(こちら)は検査協力がなくとも実施評価可能である
*診察上伝音声難聴か?感音性難聴か?を鑑別する方法はこちらを参照
*オージオグラム(audiogram):聴力検査の結果の表、オージオメトリー(audiometry):調べるための機械
横軸:周波数(右に行くほど高い音)
縦軸:聴覚レベル(dB) 下にいくほど大きい音になる
記号:聞き取ることができる最小の音量部分に記載する(つまり下になればなるほど重度の聴力障害を意味する)
気導:〇(右)、×(左) 下図参照
*気導と骨導の記号がまざってしまいがちですが、私は骨導(コツドウ)は「コ」の字に似ている記号だから骨導と覚えています
「→(矢印)」はスケールアウト(機械の最大出力音量で聴取困難)を意味する(見逃しがちで注意!)
下図:右感音性難聴、左正常
*右骨導がスケールアウトしている(骨導と気導に差があると勘違いしてしまうかもしれないが、スケールアウトの記号があるため骨導が重度障害されていることを意味している)
疑問:なぜ上図で骨導は-60~-70dB程度のところまででスケールアウトとなっているのか?気導と同じように-90dBまで調べないのか?
↓
解答:骨導は機械が出せる音量に制限があり、気導と比較して骨導で出せる最大音圧レベルは低く設定されている。一般的に骨導振動子が出せる最大音量は約-60dBから-70dB程度で、これ以上の出力はできないことから、測定がスケールアウトになる。
*これら尊敬する後輩の耳鼻科医I先生にもご教授いただきました。ありがとうございます。