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血管浮腫 angioedema

病態・臨床像

病態

(肥満細胞顆粒放出,ブラジキニンなど)→血管透過性の亢進→浮腫(重力関係なし、発症様式は突然~急性)による臓器ごとの症状

*血管浮腫は蕁麻疹より病変が深部のため疼痛がでることがある(蕁麻疹と血管性浮腫が共存する場合には同じ病態と考える)

*蕁麻疹:肥満細胞(IgEを介した機序または介さない機序)が刺激→ヒスタミンが放出→血漿漏出により皮下に浮腫が生じて、膨疹となり24時間以内に跡形もなく(湿疹ではないため)消失

部位

・眼瞼
舌、口唇:他の浮腫性疾患では生じづらい
喉頭:気道の問題が生じるため最も危険
・腸管:腹痛、嘔吐、下痢など
・四肢:好酸球性血管浮腫で生じる

分類

アレルギーブラジキニンその他
アレルギー性血管浮腫
好酸球性血管浮腫
IgEによるⅠ型アレルギー
遺伝性
Type1: C1-INH欠損 Type2:C1-INH異常 Type3: Ⅻ遺伝子変異
エストロゲン
後天性 Type1: 悪性リンパ腫合併(C1-INH消費)
Type2: 自己免疫性 
薬剤性 ACE阻害薬

好酸球性血管浮腫

・反復性 EAE (episodic angioedema with eosinophilia):7~10日程度の血管浮腫を3~4週間程度で繰り返す、男性もあり、顔面浮腫も伴う(四肢だけではなく)
・非反復性 NEAE (non-episodic angioedema with eosinophilia):日本に多く、若年女性、四肢に浮腫が限局、一過性、少量ステロイド著効する
*臓器障害を伴う場合はHES(こちら)として対応注意

検査

補体C4:遺伝性血管浮腫では低下する
C1-INH(C1 inhibitor)量:C4低下時に測定する
*C1-inhibitorが欠損するとブラジキニン産生が増加して血管浮腫が生じる
・C1q:遺伝性では正常,後天性では低下する