部位:生理的狭窄部位
・腎盂尿管移行部:背部痛(最も多い)
・腸骨動脈交差部
・尿管膀胱移行部:下腹部痛
鼠径靭帯:腹部~腰背部にかけての疼痛
*尿管結石:シュウ酸カルシウム結石が最多、リン酸カルシウム、尿酸、シスチン
臨床像
・突然発症
・正常:間欠または持続性
*炎症が病態なので持続性になることもある→間欠痛でないからといって除外することはできない
・嘔吐:認めること多い 50%(尿管からの迷走神経刺激による影響)
→嘔吐が持続するような場合には他の疾患を考えた方がよいかもしれない
再発率 -1年:15% -5年:35-40% -10年:50% 家族歴 RR=2.7
鑑別
検査診断
・腹部腎エコー:水腎症が間接的な指標として有用、結石は必ずしも捉えきれないことある
*脱水がある場合には水腎を認めない場合もあるため注意が必要
*否定には感度不十分なため、エコーではっきりしない場合には後述の単純CTを考慮する
*必ず腎臓以外の臓器にもエコーを当てる(大動脈など)
・単純CT検査:最も感度特異度が高い(逆に単純CTを使うべき数少ない状況
→必ずthin sliceでcoronal像も追加する(小さい石が厚いスライスだと見逃す可能性があるため)
*CT陰性結石:HIV内服薬使用している場合

・尿検査:潜血はあてにならない(10-30%にて陰性となる)
→尿検査は尿路感染症の併発がないかどうか?確認のために調べている(尿検査は必要)
*尿路、卵巣、口腔内は生理的に線溶系が亢進しているため出血は起こりやすい
・採血:原因精査には使用できないが、二次的な腎機能障害の評価+背景疾患(高Ca血症など)の精査は可能
治療・自然排石
自然排石の目安(Up to dateより)
・<5mm:自然排石期待十分にできるため追加治療なし
・5-10mm:α1遮断薬(タムスロシン)追加し自然排泄待つ
・>10mm:泌尿器科的介入が必要
疼痛管理
・NSAIDs:1st choice ボルタレン座薬25-50mg
*病態は炎症(圧力上昇によるものではない)
*managementとして、尿管結石疑わしく、echoにて水腎症が確認される場合にはNSAIDs座薬をすぐに使っても問題ないと思われる
・ソセゴン:2nd choice *嘔気に注意
・アセトアミノフェン div:2nd choice
*また輸液負荷は効果なく実施しない
泌尿器科コンサルテーションすべき状況
・結石性腎盂腎炎
・無尿
・腎不全を併発
再発予防の生活指導
食事療法の良くないこと、避けるべきこと
・動物性タンパク質の多量摂取
・塩分の多い食事
良い食事
・1日2L以上の水分摂取(5年再発率12% vs 27%)、水分は種類よりも量が大切
・青魚・乳酸の含んだ食事・フルーツと野菜
・体重を減らす
*Ca制限は必要ない
*シュウ酸の摂取制限が望ましいが、実際にはほとんどの食べ物に含まれているためなかなか難しい