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ワクチン Vaccine

  • 2024年11月1日
  • 2024年11月4日
  • 感染症

VPD(Vaccine Preventable Diseases)こちらのサイト”Know VPD” VPDを知って、子どもを守ろう。が素晴らしくわかりやすくまとまっているためご参照ください

一覧

ワクチンの分類生ワクチン不活化ワクチントキソイド
成分弱毒化した病原体微生物の一部が抗原毒素が抗原
基本的な注射方法皮下注筋注
投与1~3回1~4回
投与間隔
2020年10月以降
次が生ワクチンの場合28日間隔をあける
*次が不活化ワクチン、経口生ワクチンの場合は制限なし
制限なし
妊婦接種後2か月避妊・妊娠中禁忌妊娠初期は避ける
皮下注 23~26G・注射45度
摂取部位
~1歳:大腿外側
1歳~:上腕伸側
MR(麻疹風疹混合) 麻疹(定期)
風疹(定期)
ムンプス(任意:1歳以降1or2回)
水痘(定期:2回)
*上記はいずれもエリスロマイシン・カナマイシン含む
DPT-IPV(4種混合:ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ)
肺炎球菌:PCV13(定期・小児:皮下注射)
Hib(定期・4回)
インフルエンザ(任意 or 定期/12月中旬まで) 3歳未満:0.25mL, 3歳以上:0.5mL
B型肝炎 (定期・3回) 10歳未満:0.25mL, 10歳以上:0.5mL →non-responderは再度3回実施する
日本脳炎(定期) 3歳未満:0.25mL, 3歳以上:0.5mL
狂犬病(任意)
皮下注もしくは筋注肺炎球菌:PPSV23(定期 or 任意・高齢者・1回、5年後再接種必要)
A型肝炎(任意・渡航ワクチン)
*B型肝炎 (10才以上の場合)
破傷風トキソイド
10歳未満:0.5mL, 10歳以上:0.1mL
筋注 23~25G・注射90度 摂取後:入浴・運動問題なし 摂取部位 ~1歳:大腿外側、1歳~:三角筋HPV(定期 or 任意・3回)
帯状疱疹(任意・50歳以上:2か月以上あけて2回 シングリック®)
髄膜炎菌(任意・メナクトラ®1回)
経口ロタウイルス(定期) (輸血・γグロブリン影響なし)
皮内BCG(定期) (輸血・γグロブリン影響なし)

免疫抑制患者:生ワクチン接種禁忌、不活化ワクチン可能

各論(成人)

帯状疱疹ワクチン

以下2種類のワクチンが存在します。50歳以上全て+19-49歳免疫不全者は接種推奨です。

1; 乾燥弱毒生水痘ワクチン:生ワクチン・50歳以上・単回接種 *生ワクチンは免疫不全、妊婦など禁忌のため注意

2; 乾燥組み換え帯状疱疹ワクチン(商品名:シングリックス®):不活化ワクチン・50歳以上・2回接種(高価)
→基本的にはシングリックス®を推奨

帯状疱疹ワクチン不活化ワクチン RZV生ワクチン
商品名シングリックス®乾燥弱毒水痘ワクチン®
摂取回数2回 *2~6か月間隔1回
値段22,000円9410円
発症予防50歳以上97.2%51.3%
19歳以上 免疫不全者68.2%
PHN予防50歳以上100%66.5%
19歳以上 免疫不全者87.2-89.3%

*地方自治体によって助成金対象となる場合もあるため確認

肺炎球菌ワクチン

PPSV23(Pneumococcal polysaccharide vaccine:ニューモバックス®)

・莢膜多糖体ワクチン(capsular polysaccharide vaccine)
・侵襲性肺炎球菌感染症の予防効果
・23種類の血清型を含む(肺炎球菌感染症の80%程度をカバーする)
・処方:ニューモバックスNP 0.5ml sc(皮下注射)

①基礎疾患・免疫不全がある場合
・60-64歳:定期接種
・60歳未満:任意接種

②65歳以上の場合
・5年おき(65歳、70歳、75歳…):定期接種
*それ以外の年齢では任意接種

PCV13(プレベナー®)

・結合型ワクチン(conjugate vaccine):ジフテリアトキソイドと結合させより長期間有効にさせている
・小児のPCV13導入後、PCV13でカバーできる発症割合が成人で減少している
*成人においては任意摂取の扱い

髄膜炎菌ワクチン(メナクトラ®)

・特に抗補体モノクローナル抗体(エクリズマブなど)を投与する前には接種します(こちらを確認)
・4価髄膜炎菌結合ワクチン MenACWY
・効果:髄膜炎菌(血清型A, C, Y, W-135)に対する予防
*B型、血清型不明例に対しては効果なし
・投与方法:0.5mL 筋注
・任意接種

風疹ワクチン

・飛沫感染、潜伏期間14-21日、不顕性感染 15-30%、5類感染症、発疹は癒合傾向がなく落屑や色素沈着もない点が麻疹との鑑別点
・不顕性感染も多い、成人発症の方が重症化する
・生ワクチン(日本は麻疹との組み合わせワクチン MRワクチン)→妊婦には接種できないため、周囲が受けていることが重要
先天性風疹症候群(CRS: Congenital Rubella Syndrome) 妊婦の風疹感染により生じ特に初期のリスクが高い(~12週 85%, 13-16週 50%, 17-28週 25%) 白内障、難聴、小頭症、先天性心疾患など
注意:1962年4月2日~1979年4月1日生まれの男性は風疹ワクチンを接種していない

HPVワクチン

・種類:サーバリックス ® (2価)、ガーダシル ® (4価) 、シルガード ® (9価)
*米国は2価、4価は販売終了している
9価:定期摂種(小学校6年生~高校1年生相当の女子)
*2023年4月から定期接種(国内2021年2月発売)
・予防効果:子宮頚癌(HPV16, 18型 80%→全てのワクチンに含まれる, HPV31,33,45,52,58型 20%→9価ワクチンにのみ含まれる点が違い)、腟癌、肛門癌、口腔咽頭癌、陰茎癌
性交渉開始前に摂取すると効果的である
接種後も子宮頚癌の検診は受ける必要がある
*男性の接種:2020年12月~任意接種:4価ワクチン