病態・疫学
病態:Ⅰ型アレルギー(IgEを介した機序)
*Ⅰ型アレルギー:アナフィラキシー、喘息、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、口腔アレルギー症候群など
アレルギー性鼻炎の抗原
季節性
・スギ:2-4月 *ハンノキ1-5月、シラカンバ3-5月
・ヒノキ:3-5月
・イネ科:4-10月
・ブタクサ:8-10月
通年性
・ハウスダスト
・ダニ
・ゴキブリ
・イヌ、ネコ
合併
・アレルギー性結膜炎・副鼻腔炎・喘息・アトピー性皮膚炎・口腔アレルギー症候群
鑑別
血管運動性
薬剤性:点鼻血管収縮薬その他:β-blocker、ACE inhibitor、NSAIDs
内分泌:妊娠、甲状腺機能低下、末端肥大症
解剖学的:ポリープ、腫瘍、肉下種、サルコイドーシス、Wegener、Sjogren、鼻中隔湾曲症
治療
基本:抗ヒスタミン薬+点鼻ステロイド
抗ヒスタミン薬 | 抗ロイコトリエン薬 | 点鼻ステロイド | 点鼻抗肥満細胞 | 点鼻血管収縮薬 | |
一般名 | フェキソフェナジン (アレグラ®) 60mg 2T2xなど | プランルカスト (オノン®) 225mg 1T1x モンテルカスト (シングレア®) (キプレス®) 10mg 1T1x | フランカルボン酸モメタゾン (ナゾネックス®) 1日1回200μg | クロモグリク酸 (インタール®) 1日6回まで | エフェドリン (ナーベル®) ナファゾリン (プリビナ®) トラマゾリン |
特徴 | 内服1st choice | 鼻閉に | 点鼻1st choice | 安全性 | 肥厚性鼻炎risk |
鼻漏 | ◎ | 〇 | ◎ | 〇 | × |
鼻閉 | △ | ◎ | ◎ | 〇 | ◎ |
くしゃみ | ◎ | 〇 | ◎ | 〇 | × |
掻痒感 | ◎ | 〇 | ◎ | 〇 | × |
アレルゲン舌下免疫療法
・スギ花粉、ダニ花粉の抗原が特定されている場合
・1回目は医師の監視下から シーズンの2か月前から実施する
・内服後2時間は激しい運動を避ける必要がある
・禁忌:重症喘息合併
スギ花粉:シダキュア®
ダニ:ミティキュア®
*スギ花粉とダニに対する舌下免疫療法は併用可能である
アレルギー性結膜炎
Ⅰ型アレルギー(通年性 or 季節性) アレルギー性鼻炎との合併多い
症状:掻痒感 円蓋部の充血と乳頭形成
治療:抗ヒスタミン薬点眼
(処方例)
・オロパタジン(パタノール®)1日4回
・エピナスチン(アレジオン®)1日4回 LX点眼液0.1% 5mL 1日2回
*参考:ウイルス性結膜炎
ウイルス性 結膜炎鑑別 | EKC 流行性角結膜炎 | AHC 急性出血性結膜炎 | PCF 咽頭結膜熱 | 急性濾胞性 結膜炎 | 封入体性 結膜炎 |
原因 | Adeno8, 19, 37 | EV70, CA24 | Adeno3, 4 | HSV-1 | Chlamydia |
潜伏期間 | 7-14日 | 24時間 | 7日 | 7日 | |
年齢 | 成人 | 成人~老年 | 小児 | 小児 | 新生児 |
眼外症状 | – | + | ++ | ++ | + |
結膜炎 | +++ | +++ | + | + | +++ |
結膜下出血 | + | +++ | ++ | – | – |
角膜炎 | +++ | + | + | ++ | + |
感染性:接触感染(2週間程度、眼脂が出ている時期)
3週間程度で自然改善する
注意事項:手洗い頻回、タオルは個別使用とする
避けること:プール、コンタクトレンズ、風呂は家族で最後に入る
治療:抗菌薬点眼+ステロイド点眼