消化性潰瘍
原因
NSAIDs、ピロリ菌感染が2大原因
合併症:出血・穿孔
NSAIDs
・NSAIDs潰瘍は腹痛などの自覚症状に乏しい場合が多いため注意。
・NSAIDsをやむを得ず使用する場合は潰瘍のリスク因子と心血管リスクから潰瘍予防薬を併用するか?潰瘍リスクの低いCOX2阻害薬を使用するか?などを検討する
NSAIDs潰瘍のリスクと予防:*実際には潰瘍の1次予防のためのプロトンポンプ阻害薬は保険適応で通っていないため注意(再発予防の保険適応はあり)。
ピロリ菌感染
関連する合併症:胃MALTリンパ腫、ITP
ピロリ菌感染の検査
・内視鏡必要:迅速ウレアーゼ試験(結果すぐわかる/PPI偽陰性)・検鏡法・培養法
・内視鏡不要:尿素呼気試験法(除菌判定に用いること多い/PPI偽陰性なのでPPI中止が必要)・血清抗H.pylori抗体(除菌判定には使えない/PPIの影響なし)・便中H.pylori抗原
*ペプシノゲン検査=⾎清中のペプシノゲン(PG) I/IIの⽐を⾒る検査
・判定:PG I/Ⅱ≦5.0 or PG Ⅱ≧10ng/mlで陽性
→採⾎で胃粘膜の萎縮具合を推し量る検査
・PG:ペプシンの前駆体 免疫学的にPG Ⅰ/Ⅱの2種類に⼤別
・胃粘膜萎縮↑でPG Ⅱ↑ → PGⅠ/Ⅱ↓
*ABC検診:ピロリ抗体+ペプリノゲン検査
H.pyroli抗体– | H.pyroli抗体+ | |
ペプシノゲン検査 – | A | B |
ペプシノゲン検査+ | D | C |
治療(除菌)
ピロリ菌除菌の場合:P-CAB+アモキシシリン+クラリスロマイシン
(処方例)ボノサップ400® ボノプラザン20mg 2錠分2 +アモキシシリン250mg 6錠分2 +クラリスロマイシン200mg 2錠分2(200mg 4錠分2も可) 7日間処方
*除菌率約90%
除菌判定:1週間除菌薬内服→4週間以上あける→尿素呼気試験
参考資料:消化器内科Y先生レクチャー資料 Am Fam Physician 2007;76:1005-12