少しずつまとめた内容を増やしていきます(最初しょぼめでごめんなさい・・・)。
濃度性状による分類
1: solid nodule:充実成分で内部の肺構造が視認できない *solid: 縦隔条件で描出可能
2: sub-solid nodule
・GGN:内部の肺構造が視認可能(solid成分が全くない pure GGO)
・parial solid:GGOとsolid両方があるmixed pattern(solid成分を一部含む)*最も悪性の可能性が高い
下図引用元:Radiology. 2004 Dec;233(3):793-8.


リスク因子
・患者背景:高齢、女性、喫煙歴、家族歴、肺気腫、線維化など
・形態:サイズ(大きい方がリスク)、部位(上葉がリスク*ただ結核やアスペルギルスなども上葉に多い)、石灰化(中心部石灰化は良性らしさが上がる *辺縁部の場合は悪性の可能性あり)、境界(不整、spiculated *spiculationは”棘”という意味)、濃度sub-solid nodule(part-solid nodule > pure GGN > solid nodule)、増大傾向(経時的変化 doubling time: 体積が2倍になるまでの時間=長径が1.26倍になるまでの時間)
ガイドライン
ポイント:ガイドラインは色々であるが、基本的な悪性を示唆するリスクを理解しておくが何よりも重要
Fleischner Society Guideline
Guidelines for Management of Incidental Pulmonary Nodules Detected on CT Images: From the Fleischner Society 2017. Radiology. 2017 Jul;284(1):228-243.
前提条件:偶発的に指摘された結節影(=肺癌スクリーニングではない)、35歳以上、免疫抑制ではない、担癌ではない
*肺癌スクリーニングに関してはLung-RADS guidelineを推奨
*後述のBTS guidelineとの違いとしては①悪性リスク評価を含んでいない点(BTS guidelineではBrock risk calculator)、②PET-CTを用いての評価(BTS guidelineではHerder modelリスク評価)に関して言及していない点
推奨まとめ
性状 | 個数 | リスク | 大きさ | ||
<6mm | 6-8mm | >8mm | |||
Solid nodules | single | Low risk | ルーチンフォロー不要 | 6-12か月後CT →18-24か月考慮 | 3か月後CT, PET/CT または組織診考慮 |
High risk | 12か月後CTフォロー可 | 6-12か月後CT →18-24か月考慮 | 3か月後CT, PET/CT または組織診考慮 | ||
multiple | Low risk | ルーチンフォロー不要 | 3-6か月後CT →18-24か月考慮 | 3-6か月後CT →18-24か月考慮 | |
High risk | 12か月後CTフォロー可 | 3-6か月後CT →18-24か月考慮 | 3-6か月後CT →18-24か月考慮 | ||
性状 | 個数 | 性状 | <6mm | ≧6mm | |
Subsolid nodules | Single | Groud glass | ルーチンフォロー不要 | 6-12か月後CT →2年ごとフォロー(5年まで) | |
Part solid | ルーチンフォロー不要 | 6-12か月後CT →2年ごとフォロー(5年まで) | |||
Multiple | 3-6か月おきCTフォロー | 3-6か月後CT →次は最も疑わしい原因による |
BTS(British Thoracic Society) guidelines ”British Thoracic Society guidelines for the
investigation and management of pulmonary nodules” Thorax 2015;70:ii1–ii54.
前提条件:偶発的指摘の結節影または肺癌スクリーニングどちらも適応可能
solid noduleへのapproach
・サーベイランス不要基準<5mm(または明らかな良性所見)

solid noduleのサーベイランス方法
①5-6mm: CT1年後フォロー
②6-8mm: CT3か月後フォロー
→Volume doubling timeで次のアクションを決める
③8mm-:Brock risk calculator(リンクはこちら)で悪性リスク評価
→<10%: 3か月フォロー, ≧10%: PET-CT+Herder modelリスク評価
→Herder model(リンクはこちら) <10%: CTサーベイランス,10-70%: 生検考慮,≧70%: 肺切除考慮

sub-solid noduleへのapproach

低線量CTによる肺がん検診の肺結節の判定基準と経過観察の考え⽅第6版 2024年3月改訂
前提条件:低線量 CT による肺がん検診で発⾒された肺結節
分類 | 径 | 方針 | |
Pure GGN すりガラス結節影 | 15mm- | 3か月後CTフォローし不変(または増大)の場合確定診断 | |
-15mm | 3,12,24,36,48,60か月後CTフォロー | ||
Part-solid GGN 部分充実型結節 | 15mm- | 確定診断 | |
-15mm | Solid>8mm | 確定診断 | |
Solid<8mm | 3月後CTフォロー | ||
Solid nodule 充実型結節 | 10mm- | 確定診断 | |
6-10mm | Smoker | 3,6,12,18,24か月後CTフォロー | |
Non-smoker | 6,12,24か月後CTフォロー |
上記第6版の改訂ポイント
・15mm未満のpart solid noduleのsolid成分の径基準を5mm以上から8mm以上へ変更
・全体径が15mm未満かつsolid径が8mm未満の経過観察を3,6,12,24,36,48,60ヶ⽉後に変更
全体の参考文献
・BMJ 2020;371:m3673 H先生に教えていただいた、肺結節影に関するreview article こちらのreviewは前述のBTS guidelineを元に解説している