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2023年8月

拙著「レジデントのための神経診療」8月28日発売です!

いつもブログ・ホームページをご覧になっていただき大変ありがとうございます。2023年8月28日に管理人が執筆させていただきた、「レジデントのための神経診療」が医学書院より発売となりその宣伝となります。Amazonのリンクはこちらです。 本書は神経内科非専門の初期研修、総合内科、救急科などの先生方向けの入門的な内容で、病歴+神経所見の取り方”history and physical […]

副鼻腔炎と神経合併症

以下の内容は”Neurological Complications of Acute and Chronic Sinusitis. Curr Neurol Neurosci Rep. 2018 Feb 5;18(2):5.”PMID: 29404826.を参照させていただきました。頭部CTを撮影すると副鼻腔炎は偶発的によく認めますが、念のため骨条件で骨破壊などの所見がないか […]

East Asian Paradox

東アジア人は白人と比較して血栓症が少なく、出血合併症が多い傾向があり、2012年Jeongがこの現象を”East Asian Paradox”と表現しています。背景には凝固因子(遺伝性のFactor Ⅴ Leidenなど),食事,肥満,炎症など様々な因子の関与が想定されます。我々臨床医が抗血栓薬に関する大規模臨床試験を読む際は「臨床研究の患者背景がアジア人かどうか?」という […]

呼吸不全と姿勢

呼吸不全の患者さんでは「どのような姿勢をしているか?(=楽になるか?)」が原因疾患を探る上で身体所見上とても重要です。いくつかまとめようと思います。病態としては静脈還流量,呼吸筋,V/Q mismatchと姿勢の対応関係により生じるものです。 orthopnea(起坐呼吸) 呈する原因:心不全,COPD,神経筋疾患による呼吸不全 前かがみの場合:COPD・病態:呼吸補助筋が垂直になることで動員しや […]

ねころんで読める 救急患者の”痛み”のみかた 著:坂本壮先生

本書は著者でいらっしゃる坂本壮先生に献本頂き大変ありがとうございます!早速拝読させていただき特に「臨床像の思い込みから誤診してしまうことを避ける」というER診療上の重要なメッセージが伝わってきました。大動脈解離なら血圧高値なのではないの?walk-inくも膜下出血はないのではないの?肺塞栓症は急に胸が苦しくなるのではないの?胆嚢炎は発熱があるのじゃないの?などと臨床像上勘違いしがちな重要なポイント […]

乳酸 Lactic acid/Lactate

・lactate:乳酸イオン *血液ガスで測定している値・lactic acid:乳酸 正常値:0.5~1.5 mmol/L (通常 2 mmol/L未満)*換算(mmol/Lとmg/dL):mmol/L=0.11 x mg/dL 0.44-1.78mmol/L(4-16mg/dL) →だいたい8~9倍すれば良い(血液ガス測定の機械によって単位表記が異なる) 産生と代謝 産生 機序:嫌気性解糖=ピ […]

メイロン®を投与するべきなのか?

「メイロン®(NaHCO3)を投与するべきなのか?」はずっと議論があります。ここでは臨床試験ではなく生理学的議論に関してまとめていきます。 電離定数からの議論:The ICU book(Marino)の記載 The ICU bookの記載をざっくりまとめると「そもそも重炭酸の電離定数pK=6.1だから、pH=6.1前後で最も有効な緩衝剤になる。すると通常acidemiaの例えばpH=7.2の状況で […]

抗核抗体 ANA(antinuclear antibody)

膠原病≠抗核抗体陽性であり,抗核抗体が有用な膠原病とそうではない膠原病をきちんと分けて考えることが重要。抗核抗体自体が直接病原性を持つ訳ではなく、抗核抗体の値をフォローアップする意義は確立していない。 抗核抗体関連疾患:①SLE,②全身性強皮症,③混合性結合組織疾患(MTCD),④シェーグレン症候群,⑤多発筋炎/皮膚筋炎 分類・homogeneous:抗dsDNA, ssDNA・periphera […]