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2022年1月

前頭葉機能の評価

FAB(frontal assessment battery) 前頭葉の6つの機能を簡便に評価できる優れた方法です。原著はこちらです”Dubois B, Slachevsky A, Litvan I, Pillon B. The FAB: a Frontal Assessment Battery at bedside. Neurology. 2000 Dec 12;55(11):162 […]

三叉神経・自律神経性頭痛 TACs

TACs (trigeminal autonomic cephalalgias:三叉神経・自律神経性頭痛)に関してまとめます。 ICHD-3の分類 3.1「群発頭痛」 3.1.1「反復性群発頭痛」 3.1.2「慢性群発頭痛」 3.2「発作性片側頭痛」 3.2.1「反復性発作性片側頭痛」 3.2.2「慢性発作性片側頭痛」 3.3「短時間持続性片側神経痛様頭痛発作」 3.3.1「結膜充血及び流涙を伴う […]

緊張型頭痛 tension type headache

緊張型頭痛はもちろんそれ単独でも重要なのですが、「本当に片頭痛ではないか?」という臨床姿勢が最も重要と個人的には考えています。 分類 ICHD-3における筋緊張型頭痛の分類  *参考 反復性 episodic:14日/月以下、慢性 chronic:15日/月以上 2.1 稀発反復性緊張型頭痛 1回/月未満2.2 頻発反復性緊張型頭痛 1~14回/月2.3 慢性緊張型頭痛 15日/月以上(3か月を超 […]

MIBG心筋シンチ

原理 ■核種:123I meta-iodobenzylguanidine(MIBG)はノルアドレナリンの生理的アナログで、交感神経終末でノルアドレナリンと同じように貯蔵、放出される物質です。このMIBGの心臓への集積を評価することで、心臓へ分布する交感神経の節後線維の評価目的に使用します。*交感神経節後線維の評価は心臓がMIBG, 皮膚がQSART, 末梢血液がNoradrenaline基礎値とい […]

抗てんかん薬/抗発作薬 総論

抗てんかん薬の各薬剤に関しては今まで多く紹介してきましたが、ここでは総論に関してまとめたいと思います。*近年抗てんかん薬(AED)ではなく抗発作薬(ASM: antiseizure medication)と表現します。てんかんを治している訳ではなく、発作を治療(予防)している薬剤であるという意味を明確にするためです。以下抗てんかん薬と表記しているところも抗発作薬と同義とご理解ください。 抗てんかん […]

カルバマゼピン CBZ: carbamazepine

薬剤の特徴 商品名:テグレトール 作用機序:Na受容体阻害 適応:部分発作*全般発作に対しては効果なし*ミオクローヌスは増悪させてしまう場合がある点に注意 代謝:肝臓CYP3A4半減期:投与36時間(初めの1か月程度)*反復投与(自己誘導後)16-24時間  TDM7-14日後GradeA血中濃度:4-12μg/ml 製剤:錠剤(100mg,200mg/錠)、細粒 *点滴製剤なし剤形:錠剤、細粒  […]

失語へのアプローチ

失語の分類と理解が自分の中でなかなかうまくできていませんでしたが(書籍によって書いてある内容もまちまちですが)、色々な本を読んで最近色々自分の頭の中でこねくりまわしていると下図の様にまとめると一番最大公約数的な理解になるかなと思いました(これでもまだややこしいし不完全ですが・・・)。個人の見解で「理解しやすいための図」「臨床ですぐに診察と病態がつながりやすい図」という側面を重視している点をご了承く […]

Duchenne型/Becker型筋ジストロフィー muscular dystrophy

Duchenne muscular dystrophy: DMD Duchenne型筋ジストロフィー 筋疾患一般へのアプローチに関してはこちらをご参照ください。 遺伝形式 遺伝形式:XR Xp21ジストロフィン遺伝子 細胞膜直下のジストロフィン蛋白欠損→膜不安定性により進行性の筋繊維変性筋ジストロフィーの中で最も頻度高い人口2~3人/10万人女性も症候性保因者の場合がある*Becker muscu […]

腱反射 tendon reflex

この記事は神経を専門としていない初学者の方向けに腱反射に関してまとめたいと思います。 基本的な腱反射 上腕二頭筋反射 biceps reflex ・責任髄節:C5 末梢神経:筋皮神経・患者の姿勢:座位または臥位・ポイント:きちんと検者の母指を上腕二頭筋腱に押し当てて(強く押し当てすぎてはだめ)、そこを打腱器で叩くことが重要です。また肘の角度が伸展しすぎていたり、屈曲しすぎていたりすると反射を誘発し […]

dysferlinopathy ジスフェルリン異常症

筋ジストロフィー 遺伝形式:AR原因遺伝子:DYSF(2p13) dysferlin蛋白をコードしている(筋細胞膜の膜修復に関与している) 三好型遠位型筋ジストロフィー ■臨床像・下腿遠位から発症・下腿屈側(腓腹筋、ヒラメ筋、足底筋) 初期からつま先立ちが困難になる・10歳代後半から20歳代で発症・CK値は高度に上昇する・筋病理は壊死再生が主体であるが、細胞浸潤を認める場合もありその場合に多発筋炎 […]