注目キーワード
DAY

2021年8月14日

無菌性髄膜炎 aseptic meningitis

無菌性髄膜炎に関しては経験を積むにつれて一筋縄ではいかずに迷うことが多いです。勉強した内容と日常臨床で特に感じる点に関してまとめます。細菌性髄膜炎に関しては別にまとめておりますのでこちらをご参照ください。 ポイント 1:「無菌性髄膜炎」≠「ウイルス性髄膜炎」・無菌性髄膜炎はあくまで髄液に菌体が証明できない髄膜炎の「総称」であり、ウイルス性髄膜炎と同義ではない(その他薬剤性、自己免疫性など様々な原因 […]

wide QRS tachycardia

ポイント ・ABCを確認する。循環動態が安定していたとしてもすぐに電気的除細動が出来るような準備をしておく(当初は安定していても、急激に血行動態が不安定になる場合があるため)。12誘導心電図も除細動パッドを貼った状態で記録する。・無脈性心室頻拍(pulseless VT)の場合は心肺蘇生に準じて(こちらを参照)すぐに除細動と胸骨圧迫が必要。・原因は心室頻拍もしくは上室性頻拍(前者が圧倒的に多い)。 […]

急性冠症候群 ACS: acute coronary syndrome

病態/分類 ・ACS(acute coronary syndrome:急性冠症候群)は冠動脈のプラーク破綻とそれに伴う血栓形成により冠動脈内腔が急速に狭窄、閉塞し、心筋が虚血、壊死に陥る病態を示す症候群。閉塞・狭窄をきたすことで心筋虚血に陥る病態。・UAP, NSTEMI, STEMIに分類され、心電図変化の有無と心筋逸脱酵素上昇の有無から分類します。・徐々に冠動脈に狭窄をきたす労作性狭心症とは異 […]

動悸

原因鑑別 1:心臓・不整脈:発作性心房細動、発作性上室性頻拍、期外収縮、心室性不整脈・虚血性心疾患、心筋症、心不全・肺塞栓症2:全身疾患・貧血 *貧血全般に関してはこちらをご覧ください・自律神経障害・内分泌:低血糖、甲状腺機能亢進症、褐色細胞腫、妊娠・中毒/薬剤:交感神経賦活、コカイン、カフェイン、アルコール離脱、β遮断薬中断3:精神・精神:パニック障害、不安障害、うつ病 ポイント ・患者さんの訴 […]

感染性心内膜炎 IE: infective endocarditis

内科医にとって絶対に見逃したくない疾患が感染性心内膜炎です。最終的には心臓血管外科や循環器内科の先生方が診療する機会が多いですが、最初受診する段階で閾値を低くきちんと疑い・診断するようにしたいところです。最近もたまたま感染性心内膜炎を診療する機会があったため改めて勉強した内容をまとめます。 病態 菌血症から二次的に心内膜・弁に感染をきたし、以下の病像を呈します。1. 免疫反応:炎症反応、関節炎(発 […]

クレブシエラ感染症 Klebsiella

Klebsiella penumoniaeは腸内細菌科のGNRで市中感染、院内感染いずれの起炎菌ともなる重要な菌です(この他Klebsiella属で臨床的に重要な菌としてKlebsiella oxytoca, Klebsiella granulomatisが挙げられます)。またESBL産生菌など耐性菌の問題になることもE.coliと並んで大きい菌として挙げられます。自分が主治医として先日1例、また […]