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2021年2月

Weber試験・Rinne試験

聴力低下が疑われる場合に簡易的なベッドサイドのスクリーニングとして行われる診察がWeber試験とRinne試験の2つです(音叉が必要です)。基本的な検査ですが解釈が意外と混乱を招きやすいためここでまとめます。 Weber試験 音叉を頭部の正中にあて、「音が左右どちらがより大きく聞こえるか?」を確認します。これは骨導での左右差を確認しています。1:伝音性難聴の場合:患側が大きく聞こえます(「患側へ偏 […]

せん妄 delirium

1:病態 ・せん妄は意識障害の分類ではここでは「一過性」の「覚醒障害」もしくは「認知障害」に該当する(Fig1)。覚醒障害が主体になる場合も、認知障害が主体となる場合もどちらもある。覚醒障害は軽度の覚醒障害を反映した注意障害(何かに集中し続けることが困難)や睡眠覚醒障害を呈する場合が多い。認知障害では見当識障害(特に時間→場所→人の順で障害される)を呈することが多く、また論理的な思考能力も障害され […]

意識障害へのアプローチ:改訂版

意識障害へのアプローチ ・ここでは持続性の覚醒障害(一般的に「意識障害」と呼ばれることが多い)へのアプローチをまとめました。前に書かせていただいた「意識障害へのアプローチ」という旧記事の改訂版です。こちらの方が実臨床に即した内容と思いますのでもしよければご参照ください。 以下のフローチャートに沿って対応していきます。 ・意識障害の鑑別は”AIUEOTIPS”が有名である。これは鑑別疾患を網羅するた […]

筋疾患へのアプローチ

ここでは筋疾患(ミオパチー: myopathy)を疑った場合にどのような病歴・身体所見に特に注目し、どの様な検査を検討するべきか?といったアプローチ方法に関してまとめます。 鑑別 ・炎症性筋疾患:皮膚筋炎、多発筋炎、免疫介在性壊死性筋症、封入体筋炎(下図参照)・全身性疾患:サルコイドーシス、抗ミトコンドリア抗体関連筋炎・ミトコンドリア病・周期性四肢麻痺(甲状腺機能)・糖原病(ポンペ病)・筋ジストロ […]

アウトプット Output

今回の記事は医学の具体的な内容ではなくここでは「学ぶ」こと、特に「アウトプット」に関して普段私が感じていることをまとめさせていただきます。気楽に読んでいただけますと幸いです。 医者は学んだ内容をEvernoteなどのノートにまとめている方が多いと思います。私も卒後5年目くらいまでそのように学んだ内容をひたすらまとめていたのですが、ある段階でこのインプット中心学習スタイルの限界を感じました。その限界 […]

NCSE: non-convulsive status epilepticus 非痙攣性てんかん重積

病態・分類 明らかな痙攣(convulsion)を呈さないてんかん重積である非痙攣性てんかん重責(NCSE)の存在は近年非常に有名になっており、救急領域でも知らない先生はおそらくいないと思います。認知は高まっていますが、個人的は注意点も多く感じます。 1:脳波検査を充分にせずにNCSEと判断する逆にあまりにもNCSEという言葉が有名になっているため「色々調べたけどよくわからなかったからきっとNCS […]

「◯◯さん、何か他に気になることはありますか?」

私は外来や往診の最後に可能な限り「〇〇さん、何か他に気になることはありますか?」と患者さんに聞くことを日常臨床の目標にしています。この言葉は私が初期研修医のときや後期研修1-2年目の時はほとんど使うことが出来ず、最近ようやく少し使えるようになってきた言葉です。何気ない一言かもしれませんが、この言葉をすっと言うことは予想外に難しいです。 専門外のことを聞かれた場合に答えられない自分が恥ずかしい パー […]