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2021年1月

抗MOG抗体関連疾患

病態 ・ミエリンオリゴデンドロサイト糖蛋白(myelin oligodendrocyte glycoprotein:MOG)は,中枢神経髄鞘の最外層を構成するタンパク質で、同タンパク質に対する自己抗体(IgG1)が中枢神経脱髄疾患で検出されることから一連の疾患群として認識されています。表現型としては視神経炎、脊髄炎、視神経脊髄炎、ADEM、脳炎(特に「皮質性脳炎」)などを呈し、小児ではADEM、成 […]

腕神経叢 brachial plexopathy

腕神経叢の障害を疑う症例は神経内科をやっていても年に数回あるかどうかなのでなかなか解剖を覚えられません。その都度勉強するのですがするする忘れてしまいます。ここで勉強した内容をまとめます(今度こそ覚えられますように・・・)。 解剖 ・腕神経叢はC5-Th1の神経根から構成され、近位から順に「神経根(root)」→「神経幹(trunk)」→「神経束(cord)」と名称がついています。下図にそれぞれの対 […]

腹水穿刺 abdominal paracentesis

腹水穿刺の手順 0:物品準備 ・本穿刺針(穿刺診断目的の場合:22G、ドレナージ目的の場合:18Gより太いもの:施設ごとに様々ハッピーキャスなど)・三方活栓・輸液ライン(空の状態の)、延長チューブ、排液容器・23G針、局所麻酔(キシロカイン1%など)、シリンジ(検体採取用の50mlを複数と、穿刺用の20ml程度のもの、局所麻酔用の10ml)・ガーゼ、ドレッシング・清潔手袋・穴開きドレープ、ドレープ […]

胸水穿刺 Thoracentesis

胸水穿刺の手順 0:物品の準備 ・本穿刺針(診断目的穿刺:21G、治療目的:18G, 20Gなど)・三方活栓・輸液ライン(空の状態の)、延長チューブ、排液容器・23G針、局所麻酔(キシロカイン1%など)、シリンジ(検体採取用の50mlを複数と、穿刺用の20ml程度のもの、局所麻酔用の10ml)・ガーゼ、ドレッシング・清潔手袋・穴開きドレープ、ドレープ・SpO2モニター・エコー ※ハッピーキャスは胸 […]

腰椎穿刺 lumbar puncture

腰椎穿刺は日常臨床で頻回に行う手技で、手順をまとめさせていただきます。 ■禁忌 ・頭蓋内圧亢進を示唆する所見・穿刺部位の感染・血液凝固障害(血小板数 < 5万/μL、PT-INR > 1.5)・抗凝固薬内服は禁忌(抗凝固薬の処置前休薬期間に関してはこちらをご参照ください)*抗血小板薬に関しては絶対禁忌ではなく、緊急性が高い場合は腰椎穿刺を実施を検討します。*これらに関しては絶対的な基準はない […]

マスク換気

気管挿管より何より「マスク換気が最も重要」と私は初期研修で教わりました。私は急変の際に、自分は気管挿管しないかもしれないけれど(もっと上手い人にしてもらった方が良い)、マスク換気は自分の責任できちんと行おうという気持ちで臨んでいます。 1:バッグマスクの選択 ・バッグマスクは患者にフィットさせるマスクと換気をするためのバッグから構成された医療器具です。バッグ部分の違いから大きく「ジャクソンリース」 […]

経鼻胃管

経鼻胃管の適応・禁忌 ■適応 ・経管栄養・薬剤の投与・消化管の減圧・胃洗浄 ■禁忌 ・顔面損傷、頭蓋底骨折・食道の異常 挿入方法 0:物品の準備 ・経鼻胃管(決める項目は下記の通り)・潤滑用ゼリーもしくはキシロカインゼリー・カテーテルチップ・聴診器・固定用チューブ ■タイプの決定 単腔:レビン型→経管栄養、2,3腔:サンプ型→ドレナージ目的*サンプ型はあくまでドレナージ用なので、目的を達した後経管 […]

中心静脈カテーテル留置

この記事では中心静脈カテーテル留置方法(右内頸静脈)に関してまとめます。 0:物品の準備 ・モニター(心電図、SpO2)・エコー(リニア)、エコーカバー、エコーゼリー・CVカテーテルキット(穿刺針・ガイドワイヤー・ダイレーター・皮膚切開用のメス・カテーテルなど含まれている)*予めカテーテルのルーメン数(シングル・ダブル・トリプル)を決定しておく。・コネクター、三方活栓など・局所麻酔薬、23G針、シ […]

PICC 末梢挿入型中心静脈カテーテル

末梢挿入型中心静脈カテーテル peripherally inserted central catheter(PICC)に関してまとめます。 PICC挿入の手順 0:物品の準備 ・エコー(リニア)、エコーカバー、エコーゼリー・PICCカテーテルキット(穿刺針・ガイドワイヤー・ダイレーター・カテーテルなど含まれている)・コネクター、三方活栓など・局所麻酔薬、23G針、シリンジ・ヘパロック多数・ガーゼ・ […]

Elsberg症候群

臨床像 ・Elsberg症候群は急性から亜急性の経過で両側の腰仙髄領域の神経根炎としばしば脊髄炎(特に下部)を認め、感染性機序(特にHSV2感染)が推定されている症候群です。もともと1931年に急性で自然軽快する尿閉と様々な脊髄障害を合併し、髄液細胞数上昇を呈する症候群をElsbergが報告したことに端を発します(Surg Gynecol Obstet 1931;16:117–135.)。 ・後で […]