VEP: visual evoked potential 視覚誘発電位

視神経の脱髄病変は画像では検出が難しい場合が多いです。VEPは例え視力低下が明らかではない場合も、subclinicalな視神経の障害を検出することができ、視神経疾患の評価・診断にとても重要な電気生理検査です。視神経疾患の中でも特に多発性硬化症、視神経脊髄炎などで利用する場合が多いと思います(視神経疾患に関してはこちらもご参照ください)。 read more

末梢神経病理

解剖

筋病理と同様、所見を述べる際にどの場所の話をしているのか?が非常に重要です。神経線維が束になっているものが神経束(nerve fascicle)です(腓腹神経生検では約10個前後認めます)。間質は外側から以下の様に命名されます。
Epineurium(神経上膜):神経束と神経束の間の間質を称します。HE染色で観察します。
Perineurium(神経周膜):神経束の膜を称します。神経周膜は血液神経関門(BNB: blood nerve barrier)の役割も担います。
Endoneurium(神経内鞘・内膜):神経束内の間質を称します。HE染色での観察には限界があり、エポン包埋トルイジンブルー染色で観察します。 read more

神経伝導検査 総論

ここでは神経伝導検査で一体何を調べているのか?その検査結果をどのように解釈すればよいのか?という点に絞って解説を行います。実際にどのように検査を行うか?というテクニカルな点に関しては別の記事(上肢はこちら、下肢はこちらをご参照ください)にて解説させて頂きます。 read more

重症筋無力症クリーゼ myasthenic crisis

重症筋無力症クリーゼ(myasthenic crisis)は咽頭筋、呼吸筋に高度の筋力低下が急速に生じて、挿管・人工呼吸管理が必要となる状態をさします。重症筋無力症の経過中にクリーゼをきたす症例は15-20%程度存在するとされています(1/5はクリーゼが重症筋無力症の初発症状になるとされています)。重症筋無力症は気道・呼吸管理さえきちんとできていれば基本的に死に至ることはないため、気道・呼吸管理は極めて重要です。先日外来で歩いてこられた患者さんが翌日重症筋無力症クリーゼで挿管・人工呼吸管理となってしまい、勉強した内容をまとめます。先に具体的なアプローチの流れのまとめ図を掲載します。 read more

Neuronopathy 後根神経節障害

病態・臨床像

ここでは一般的な”neuropathy”(ニューロパチー)ではなく、”neuronopathy”(ニューロノパチー)を扱います(私は医者になって初めてこの言葉を読んだ時誤表記かな?と思ってしまいましたが、誤表記ではありません)。”sensory neuronopathy”, “sensory ganglinopathy”とも表現されます。”neuronopathy”は後根神経節(DRG: dorsal root ganglion)が選択的に障害される病態で特徴としては以下のものが挙げられます(下図はhttps://www.statpearls.com/ArticleLibrary/viewarticle/20672より引用させていただきました)。 read more

抗ウイルス薬まとめ ヘルペスウイルス

ここではヘルペス系ウイルス感染症(HSV, VZV, CMVで使用するDNAポリメラーゼ阻害薬をまとめます。抗ウイルス薬は種類が多く名前もなんだか似ているためきちんと分類しないと混乱しやすい分野だと思います。インフルエンザウイルス治療薬や肝炎ウイルス治療薬、HIV治療薬に関してはこの記事では扱いませんのでご了承ください。 read more

PPMS: primary-progressive multiple sclerosis 1次性進行型多発性硬化症

先日外来で5年経過の緩徐進行性歩行障害を呈し神経学的所見上では痙性が目立つ症例があり、比較的高齢だけれど遺伝性痙性対麻痺かな?と思い精査した結果”PPMS”であった症例がありました。やはりPPMSは日常臨床でそこまで頻度が多いものではないですが、調べた内容をまとめます。 read more