ニコチン酸

今回はあえて処方するべきではない薬の紹介をします。患者さんのお薬手帳を見るとこの薬剤(ユベラ®)を内服している患者さんがかなり多く、本当に必要なのか疑問に思いポリファーマシー対策として勉強しました。

一般名:ニコチン酸(ナイアシン、ビタミンB3)
商品名:ユベラN® 製剤:100mg/1Cp・細粒 
処方例(処方しないけれど):100~200mg 1日3回投与
作用機序:HDL上昇

副作用:皮膚紅潮、掻痒感、消化管副作用、血糖管理悪化

結論から申しあげると臨床的な心血管合併症予防効果はニコチン酸で示されていません。また副作用が非常に多いことが問題で、血糖管理が悪化する点が特に問題です。脂質異常症の患者に処方するべきではありませんし、ポリファーマシーの原因となっている場合は真っ先に中止する薬の候補になります。

根拠となる臨床研究

HPS2-THRIVE (N Engl J Med. 2014; 371: 203-12)

結果を下記にまとめます。スタチンを既に使用している心血管イベント高リスク患者においてナイアシン併用はプラセボと比較して心血管イベント抑制効果は示せませんでした。また副作用がナイアシン群で多い(消化管、皮膚、筋骨格系、新規糖尿病合併や既存の糖尿病増悪)結果でした。ナイアシンを積極的に併用する根拠に乏しい結論です。

ナイアシン投与量が日本での投与量よりもはるかに多いので、直接この結果を日本で適応できるかの疑問はありますが、あえて使う根拠にも乏しいと思います。

私が読んだのはこのstudyとAIM-HIGHだけですので、ご意見ある方コメントいただけますと幸いです。

“ニコチン酸” への2件の返信

  1. ポリファーマシーはかなり日本では問題ですよね。
    ユベラ、メチコバールのおまじないがどこまで有用なのか疑問です。
    非常に分かりやすくevidenceを提示して頂き有難うございます。

    1. コメント大変ありがとうございます!
      ポリファーマシーは大問題ですよね・・・。
      またポリファーマシー系の記事も少しずつ作っていこうと思います!

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