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2020年5月

循環器 おすすめ本紹介

循環器は初期研修で必ずローテートしないといけない重要な科です。その際におすすめの本を心電図・臨床全般・生理に分けて紹介させていただきます。 1:心電図 心電図ハンター 1:胸痛/虚血編 2:失神・動悸/不整脈編 著:増井伸高先生 実践的な心電図の本として最もおすすめできます。ST上昇にどうアプローチするかなどのテーマをクリアカットに解説していて極めて実践的です。虚血胸痛バージョンと不整脈バージョン […]

人工呼吸管理と循環動態

通常私たちは陰圧換気(胸腔内圧を陰圧にすることで大気と肺胞内に圧較差を作り、空気を肺に流入させる方法。詳しくは人工呼吸器の原理の項こちらをご参照ください。)をしていますが、人工呼吸管理では陽圧換気(陽圧をかけることで肺胞内と圧較差を作り空気を肺に流入させる方法)を行います。陽圧換気では胸腔内圧が上昇し、胸腔には心臓・肺・血管など循環動態を担う様々な臓器が存在しているため、循環動態へ影響が出ます。そ […]

肺のメカニクス

1:肺は縮みやすい・胸郭は縮みにくい 呼吸を考える際、私たちはついつい肺のことだけを考えてしまいますが、実際には「肺」と「胸郭」が合わさって呼吸器システム”passive respiratory system”を形成しています。ここではこの呼吸器システムがどのような物理的特徴を持っているか?いわゆる「肺のメカニクス」に関して考えていきます。 「肺」と「胸郭」はそれぞれ「肺は […]

ARDS: acute respiratory distress syndrome

昨今のCOVID19の影響でARDSの管理に対する知識の必要性が増しています。ここで勉強した内容をまとめさせていただきます。 1:病態 ARDS(acute respiratory distress syndrome)は「何らかの原因により肺血管透過性が亢進し、肺水腫をきたす病態の総称」です。病理学的にはDAD(diffuse alveolar damage)が特徴とされています。経過により病態が […]

VILI: ventilator induced lung injury

1:病態 歴史的には1950年台ポリオの流行により人工呼吸の創成期を迎え、人工呼吸器による肺障害が認識されるようになりました。そして1967年人工呼吸器管理患者の剖検でびまん性の肺胞浸潤、ヒアリン膜形成を認め “respirator lung”と名付けられたのが人工呼吸器関連肺障害の始まりです。これらをまとめて現在はVILI (ventilator induced lung […]

人工呼吸器 モード・設定

人工呼吸器の原理に関して別項で解説させていただきました(こちら参照)。ここではこの原理を踏まえて、ややこしい人工呼吸器のモードと具体的な設定を解説します。 1:モード 人工呼吸器が換気をサポートする方法は「強制換気」と「補助換気」の2通りあります。前者は人工呼吸器で強制的に空気を送り込むことで一定の換気量(もしくは圧)を得る方法で、後者は患者さんの自発呼吸を尊重し、それを圧でサポートする方法です。 […]