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腎臓内科 おすすめの本

腎臓内科をローテートする研修医の先生、また腎臓内科の勉強をすすめる内科の先生向けのおすすめ本を紹介させていただきます。(図をクリックしていただくとAmazonリンクに飛びます。)

1:臨床ですぐ役立つ内容

極論で語る腎臓内科 著:今井直彦先生

「極論」シリーズはどれも素晴らしい内容ですが、個人的には「腎臓内科」の極論が最も素晴らしいと思います。個人的に特に秀逸だと思うのは酸塩基平衡、血液ガスの解釈のチャプターで、私自身が血液ガスのレクチャーをするときもこの内容を中心に参照させていただいております。流れがクリアカットで練習問題を解いているうちに自然と身に付く流れになっており自習にとても向いていると思います。

その他の急性腎障害や慢性腎臓病など腎臓内科で遭遇する病気に関して病態からかなり分かりやすく記載されておりさくさく読めますし、値段もお手頃なので腎臓内科ローテートの時に事前に読んでおくと良いお勧めの本です。

Hospitalist「腎疾患」

雑誌Hospitalistは全て素晴らしい内容ですが、「腎疾患」は特に素晴らしい内容です。急性腎障害、電解質含めて非常にわかりやすく詳しくまとまっており、普通の教科書を買うよりも圧倒的に素晴らしい内容がつまっています。

内科医に役立つ!誰も教えてくれなかった尿検査のアドバンス活用術 著:上田剛士先生

尿検査に特化して、その基本的な解釈から、応用、裏技まで幅広くカバーされている内容です。内科医は必ず把握しておきたい内容ばかりです。初期研修医の先生にはやや高度な話も多いかもしれませんが、尿検査で1冊買うなら本書だと思います。著者の上田先生が腎臓内科が専門ではなく総合診療医というのがすごすぎる・・・。

体液電解質異常と輸液 著:柴垣有吾先生

電解質を理解したい上でおそらく日本語で書かれている本の中では最も詳しく記載がしてあり、素晴らしい本です。原理、病態から詳しく書かれており、さっと読んで理解するのは大変で、時間をかけて読み込まないと実臨床で活かせる知識にならないと思います。「1回読んで完璧に理解しよう」というタイプの教科書ではなく、「じっくり何度も時間をかけて読む」ことで身に付けていくタイプの本です。

2:透析

血液透析処方ロジック 著:上野智敏先生

透析に関する本もたくさんありますが、原理からECUMとは?QBとは?といった基本的な内容を丁寧に解説してあり個人的には最も理解が促進された本でおすすめです。救急領域でのCRRTに関しては記載はほとんどありませんが、QBは何を表しているのか?QDは?HDFは何なのか?など原理がわかるため自然と理解がすすむと思います。本も分厚くなく、分かりやすくかかれているためさくさくと読み進めることができると思います。原理の理解と実践的な内容のバランスが非常によく取れた本でおすすめです。 研修医でも透析回診に参加することがあると思いますが、その際に持っていると勉強になると思います。

3:腎臓生理

体液異常と腎臓の病態生理 原著:Renal pathophysiology the essentials

個人的には酸塩基平衡・輸液・電解質の理解に生理学の理解は欠かせないと思います。その腎臓生理をとても分かりやすく解説している本として予備知識がまったくない状態で読むのにお勧めなのが本書です。ただ寝転がってすらすら読むことは難しくある程度じっくりと読まないと理解するのは大変かもしれません。ただ目からうろこの情報があり、個人的には感動した本です。

日々の臨床で忙しくなかなか生理学を勉強する時間がとれないかもしれませんが、もし腎臓生理を勉強しようと思った際にはおすすめの一冊です。(ガイトン生理学も腎臓生理が特に詳しくおすすめですが、この本はそこまで分厚くなくコンパクトなのでとっつきやすいと思います)。

4:より極めたい方

“Clinical physiology of acid-base and electrolyte disorders”

電解質異常と酸塩基平衡に特化した非常に詳しい本で、訳本はなく英語で読まざるを得ません・・・。しかし、病態生理から非常にわかりやすく書かれており、個人的にはこの本を読んで低Na血症の理解がようやくできてきた感じがしております(低Na血症難しいですよね・・・)。英語自体は比較的平易で読みやすい内容になっているので、根本的な理解を目指したい方へおすすめです。

ちなみに著者のRose先生は”Up to date”の監修をされており、”Up to date”の電解質の病態解説がめちゃくちゃ詳しいのはこのためです。

ハルペリン 病頼から考える電解質異常

上記の “Clinical physiology of acid-base and electrolyte disorders” と並んで2大電解質本として海外では有名です。正直こっちは1/3くらいしか読めていません・・・・。訳本が最近出て私は訳本を読んだのですが、難しいです・・・。