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診察道具

閑話休題のようなゆるいテーマですが、普段皆さまはどんな診察道具を持ち歩いていますでしょうか?ときどき研修医の先生方から「先生は普段何を持ち歩いていますか?」とご質問いただくことがあるので、参考までに私が普段白衣に入れて持ち歩いている診察道具を紹介させていただきます(職業柄神経診察道具が多い点はご容赦ください)。

上図の番号順に載せます。
1:聴診器(ステレオフォネット:ケンツメディコ社)
聴診器としてはかなり高級なものです(6万円くらいだったとおもいます・・・)。この聴診器を最初につけて呼吸音を聞いた時はその音の奥行に感動しました。聴診器に関しては循環器の先生方の方が圧倒的にお詳しいので、私は細かいところまでは分かりませんが、Ⅲ音の聴取は正直かなり聴診器のqualityに左右されると思います。ケンツメデイコ社のステレオフォネットシリーズは音がきめ細かくどれもqualityが高いのでおすすめです。以下画像をクリックしていただくとAmazonリンクに行きます。

2:音叉
標準的な128Hzのもので、聴覚の検査、振動覚や金属のひんやりを利用して冷覚の評価に使用しています(本来は正確ではないためあまり推奨されないが、簡易的に)。 以下画像をクリックしていただくとAmazonリンクに行きます。

3:打腱器(工藤式打腱器:ユフ精器社)
打腱器はいろいろな種類があって神経内科Drはそれぞれこだわりがありますが、重要なのはヘッド部分の重量があることと、患者さんと自分が痛くないことだと個人的に思っています。工藤式はヘッド部分が重く、また叩いても全く痛くないのでかなり使いやすいと思います。Tromner型は叩くときの接地面積が小さいので少し練習がいりますが、とても優秀です。バビンクインスキー型(ヘッドが円盤型)もヘッドが重くていいのですがポケットに入れて持ち運びづらい欠点があります。それぞれ長所短所あるため適宜手になじむものを使用するのが良いかなと思います。

4:ストップウォッチ
呼吸回数を数えるときに必須のアイテムです。腕時計でも良いですが、個人的には感染対策を考慮して普段は装着していません(初期研修先の病院が感染対策から腕時計禁止だった影響が大きいです)。自分のiphoneを取り出して測定するのも患者さんの前では少し気が引けると思いますので、ストップウォッチを持っておくと良いのかなと個人的思っています。

5:定規
主に頸静脈怒張の高さを測定するときに使用します。定規の端が「0」のマス目の方が使用しやすいです。

6:ディバイダー(コンパス)
これも心電図で心房細動を確認するとき、完全房室ブロックのときなど役立つので私は必ず持ち運んでいます。以外と普段持ち歩いている方が少ないですが、かなり役立ちます(私はこれがないと不安になってしまう・・・)。

7:知覚筆 (ユフ精器社)
これはかなりマニアックですが、筆の両端それぞれ筆(触覚)、金属(痛覚)になっています(今まで何度も「これなんですか?」といわれました)。痛覚を調べるには爪楊枝を持ち運ぶ方法もありますね。

8:ペンライト
これはいまだにベストのペンライトに出会えずにいます。光が分散しすぎてしまうと光が両目にはいってしまうため、ある程度光が絞られている必要があります。また光も弱すぎると通常の室内で診察するときの対光反射の評価がなかなか難しいためある程度の光量も必要です。自分は仕方なくAmazonで購入したものを使用しています。どなたかよいペンライトをご存知でしたら是非教えていただきたいです。

あまり参考にならないかもしれないですが、今回はゆるめに私の診察道具を紹介させていただきました。