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2019年9月

血液培養 blood culture

1:菌血症・敗血症 まず基本的な事項のおさらいですが、菌血症(bacteremia)と敗血症(sepsis)は全く別の概念です。また、 菌血症であることは敗血症であることの十分条件でも必要条件でもありません。 ・菌血症(bacteremia)は血液中に菌を認めることを意味し、血液培養陽性と同義です。菌血症=血液培養陽性。 ・敗血症(sepsis)は「感染症に対する制御不能な宿主因子に起因した生命を […]

セフェム系抗菌薬

1:分類 ペニシリン系と並んで抗菌薬の基本となります。細胞壁合成阻害、殺菌性、時間依存性といった特徴はペニシリン系と同様です。 セフェム系抗菌薬の特徴として重要なことは、・髄液移行性:第1-2世代はないですが、第3世代からはあります・嫌気性菌カバー:セフメタゾール以外基本的になし or 弱い・セフェム系全般においてListeriaと腸球菌のカバーがない(Listeriaは特に細菌性髄膜炎の患者でカ […]

ペニシリン系抗菌薬

1:分類 ペニシリン系抗菌薬は抗菌薬のなかでも使用頻度も多く、抗菌薬の基本です。初期研修ではまずペニシリン系とセフェム系をきちんと使えるようになることが目標だと思います(その他のテトラサイクリンやマクロライド、キノロンを使用する以前に)。 細胞壁合成阻害(PBP:penicillin binding proteinという細胞壁を作る酵素に結合することで細胞壁合成を阻害する)、殺菌性、時間依存性の抗 […]

キノロン系抗菌薬 Quinolone

1:分類 殺菌性、濃度依存性の抗菌薬で作用機序としてはDNA阻害により作用します。以下にその分類をまとめましたのでご参照ください。レボフロキサシンでは肺炎球菌のカバーが出来るようになり、モキシフロキサシン(私は一度も処方したことがないですが)は嫌気性菌カバーが出来るようになる特徴があります。 2:適応 一言で表現すると、キノロン系抗菌薬は「レジオネラ感染症以外は基本使用しない」という姿勢が重要です […]

低血糖 hypoglycemia

1:病態・症状 低血糖での症状は大きく以下の二つに分類されます。 1:automonic:交感神経症状と副交感神経症状2:neuroglycopenia:中枢神経症状(痙攣、意識障害、神経巣症状) 通常症状は先に自律神経症状、次に中枢神経症状の順番で症状が出現しますが、長期糖尿病患者ではhypoglycemia unawareness(自律神経障害で自律神経障害に対して無自覚)のため、いきなり中枢 […]

中毒へのアプローチ

1:Toxidrome vital sign,身体所見からのapproach 意識障害やvital signに異常がある患者で、中毒を疑い「とりあえずトライエージ®「triage®陰性だから中毒ではないかー」というアプローチは間違っています。vital sign、身体所見からどのようなtypeの中毒が疑われるかまず分類して、その原因となりうる薬剤歴があるかどうかを確認するという系統的アプローチが必 […]

急性脊髄硬膜外血腫 spinal epidural hematoma

0:どんな疾患か? 「なんでこんな稀な疾患を取り上げるの?」と思われるかもしれないですが、急性脊髄硬膜外血腫は疾患頻度としてはマレですが、脳梗塞と間違えられてしまう疾患の王様でとても重要な疾患であるため紹介させてください。学校で習う病気ではないですし、私も恥ずかしながら卒後4年目で初めてこの疾患を知りました。私も自分で初療対応した症例はいままで2例しかありませんが、いずれの症例も脳梗塞と間違えてし […]